「事業成長の方程式」への挑戦:人事の私が、あえてコードを書く理由
2025-02-01
組織の成長を「再現可能な関数」として捉えると、人事の役割は、その関数のパラメータを設計・チューニングすることに近いという側面があるのではないでしょうか。私は、そのように捉えることで、組織運営が少し楽になった経験があります。
戦略は完璧なのに、現場が息切れしているとき
こんな光景を、どこかで目にしたことはありませんか。OKRもKPIも整い、四半期の数字は追えている。なのに、会議のあと誰も動かない。チャットは既読ばかりで、本音が流れない。戦略や仕組みは「論理的」に正しいはずなのに、なぜか現場が疲弊している。
人事として関わるなかで、私は「方程式の変数が一つ足りていないのでは」と感じることがありました。それが、熱量です。数値やロジックだけでは、人は動き続けられない。どこかで「なんのための仕事か」という納得や、仲間と向かっている実感が欠けると、仕組みは回っていても、心が離れていってしまう。そんな経験は、多くの組織に当てはまるのではないでしょうか。
成長の方程式
エンジニアリングの世界では、出力は入力と設計に依存します。組織成長も同様に、次のようにモデル化できると考えています。
ここで People は採用・育成・配置、Process は意思決定と実行の流れ、Structure は役割と権限の設計、Strategy は方向性の一貫性です。人事はこの を「再現性高く」「計測可能に」することに寄与することが大切だと感じています。
仕様書通りなのに、使われないアプリのように
開発の現場にも、似た構図があると思います。仕様書(Logic)どおりに組んだアプリでも、ユーザー体験(Heart)が伴わなければ、誰も使わない。組織も同じで、制度やプロセスという「仕様」は整っていても、そこで働く人が「しっくりこない」「納得できない」と感じる空気が続くと、形だけの運用になってしまう。ロジックは土台として必要だけれど、その上でハートが躍るかどうかが、持続可能な成長を分ける。そう捉えると、人事の役割は「論理的な設計」と「人が動きたくなる場づくり」の両方を、ほどよく組み合わせることにあるのかもしれません。
人事を「システム」として設計する
現場感覚だけに頼らず、変数・制約・フィードバックを明示すると、属人化が減り、スケールしやすくなる。そんな実感があります。
- 変数: 評価指標、目標の置き方、報酬と成長のリンク
- 制約: 予算、法務、文化が許容する範囲
- フィードバック: 1on1、サーベイ、離職・パフォーマンスデータ
これらを「設定ファイル」のように言語化し、見直しサイクルを回す。その実務的な知見とテンプレートは、別の場で共有しています。
まとめ:ロジックという土台があるからこそ、ハートが躍る
事業成長の方程式を、人事の視点から紐解くとは、論理的なシステム構築の思考を、組織開発に適用することだと、私は捉えています。そのうえで、ロジックを軽視するのではなく、ロジックという土台があるからこそ、ハートが躍る。設計がぶれないから、安心して挑戦できる。指標が共有されているから、同じ方向を向ける。その先に、熱量や納得感が乗る。エンジニアリング的思考を持つ人事として、再現性と測定可能性を大切にしながら、その土台の上で「心が動く組織」を一緒につくっていきたいと思っています。
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